この仕事はなんのためにしているのかと思うこと。
この仕事なんのためにあるのと思うことが多々あります。
まさに今、そんな思いで仕事をしています。
システムの見積もり作業
IT業界でよく言われるのは、見積額の妥当性がよくわからないということです。
発注元の顧客はシステム構築に関しては素人なので、ベンダーから提示された見積額が妥当かどうかよくわからないというのはよくある話です。
大企業なら自社部門でシステムの専門家を雇ってるんじゃないのと思われますが、古き良き日本の大企業のシステム部門はシステムを構築するプロではなく、社内手続きのプロの集団です。
社内で決められたプロセスに沿って計画書作成、予算取り、査定書作成などお金に絡む作業をするところまでが主要なお仕事で、システム構築に関する技術的な知識がない人が数多くいます。
そういった人たちが、見積もり査定をするために、ありとあらゆる管理手法を持ち出してきて、現場を混乱の渦に巻き込むということがあります。
またシステム構築を請け負うシステム会社側でも多重請負構造のなか、管理する人たちはずいぶん前からシステムを作る仕事はしておらず、システム構築の知識もないままに顧客との折衝が仕事の中心になっており、資料を現場に作らせて、それを持って顧客企業といろいろと取り決めをします。
早い話が、権限はあっても知識がない人たちが動くことで、余計なお仕事が次から次へと産みだされて、無意味な資料作成業務が発生しているのです。
その代表的な例が自分の職場の見積作成作業です。
無意味な資料作成
自分もいい歳なのでプロジェクトマネージャを任せらることがあります。
自分はどちらかというと現場で技術的な開発の仕事をしてきて、社内手続き的なことは熟知していません。
自分の職場では見積書を作成するために、レビューに必要な資料とか、単価交渉の結果とか、チームの要員計画とかいろいろな条件を加味したうえで見積書を作成する必要があります。
技術者である自分から見ると正直どうでもいい数々の資料をそろえて、社内プロセスを通していく必要があります。
それらの資料を作成してレビューを受けるための時間というのに膨大な時間がかかります。
正直その時間があれば技術検証してプロトタイプのシステムを作ることができます。
ただ、日本の古き良き企業では、管理業務が何よりも重視され、プロセスを回すためだけに、数多くの資料を作る必要があります。
自分は今その役割を求められて仕事をしているわけです。
数字合わせ
システムを作る技術のない人たちが話し合って取り決めて出来上がった見積業務は正直複雑怪奇な作業のオンパレードです。
ある資料と別の資料の特定の数字があうように数字をこねくり回して最終的な見積もり資料が出来上がります。
机上の空論の上に出来上がる資料の数字をベースに説明をするのが、社内のプロセスです。
管理する側はその数字があっているか、資料がそろっているかをチェックします。
その数字は実際ので開発業務上は何の意味も成しません。
ただ社内プロセスと顧客企業の金銭のやり取りのためにつくる数字です。
最後に
昨今このような仕事が増えてきました。
すべてのシステム会社に当てはまるけではないですが、自分の職場ではこれが上流工程といわれています。
この仕事を価値のある仕事だと思えるのか、それとも無意味な業務と思えるのかは、仕事をどうとらえるかなのかもしれません。
会社が求める業務をするのが価値のある仕事ととられば、この見積資料の作成も価値があるのでしょう。
いいシステムを作るのが価値があると考える人にとっては、この見積業務に価値はありません。
自分がどう思っているかは言わずもがなです。
では。